猫さんがごはんを食べてくれないとき。その原因と対策

| 西村 裕広
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ある日突然飼っている猫がごはんを食べなくなると、飼い主さんは当然心配になるでしょう。「なにかの病気?」と思ってしまうかもしれませんが、まず冷静になることが肝心です。猫によって、まったく体調不良などがなくても食事をしなくなることがあるからです。猫の食事に対して日常的にチェックすべきことなども含めて、ごはんを食べなくなったときの対応についてご説明します。

愛猫がごはんを食べない・・・原因はやっぱり病気?それとも…

ある日突然飼っている猫がごはんを食べなくなると、飼い主さんは当然心配になるでしょう。「なにかの病気?」と思ってしまうかもしれません。

まず、知っておいてほしいのですが、猫はまったく体調不良などがなくても食事をしなくなることがあります。猫の食事に対して日常的にチェックすべきことなども含めて、ごはんを食べなくなったときの対応についてご説明します。

<ポイント>
●健康な猫がご飯を食べない場合、猫の祖先から受け継がれた生得的行動に関連している
●病気で食欲が落ちているかもしれないときの特徴を知っておこう

ご飯を食べない理由。大きく分けると体調不良と猫本来の行動様式

猫がごはんを食べない理由は、大きく分けると体調不良と猫本来の生得的行動の2つがあります。

まず、病気や体調不良などですが、あらゆる病気が食欲不振の原因になり得るし、ひょっとすると飼い主さんが留守にしている間、何か誤飲誤食などをしてしまったりしているかもしれません。特に長毛の猫さんは、毛玉を飲み込みすぎたりしていても食欲がなくなることもあります。
※ 猫さんは、グルーミングで舐めとった毛の約2/3を飲み込みます。

ただ猫さんの場合、ごはんを食べなくなる原因は病気だけではありません。体調はバリバリ絶好調にもかかわらず、ご飯を食べてくれないことがあります。私はこの行動を「食べムラ」と呼んでおり、我家の飼い猫も非常に食べムラが大きいです。このように健康でも「ごはんを食べない」という場合、猫本来の行動様式が関わっていると考えられます。

体調不良で食欲が落ちているとき。見分け方と対応

ぐったりしている、あきらかに普段と様子が違うなどの場合は病気と判断していいでしょう。しかし、いつもとまったく変わらない様子なのにごはんは食べないとなると、病気か食べムラかの判断がつきにくいです。

以下のような場合、一度病院に連れて行ったほうがいいかもしれません。
● 24時間、ひと口もごはんを口にしない
● ごはんを出しても、匂いを嗅ぐ等の行動もとらない
● 普段と違うパターンでごはんを食べない
● 一週間で体重が2~3%以上減った

24時間ごはんを食べないという場合の時間はあくまでも目安です。猫さんによって変わってきますので、普段の行動パターンと合わせて判断してください。

我家の猫の場合、時期によっては決まった時間に与えるごはんをたちまちたいらげます。でもまったく食べなくなる時期や、少しずつ食べる時期などが不規則にやってきます。これは食べムラが大きい部類に入ると思いますが、極端に食べなくなる時期でも、24時間ごはんにひと口も口を付けないことはありません。また、ごはんを食べてはいても一週間で体重が2~3%以上減った場合は、充分にごはんを食べていないことになるので、一度病院に連れて行ったほうがいいでしょう。

食べムラのある猫を飼っている場合は、よく食べる時期や反対に食べない時期の食べ方のパターンをじっくりと見ておくことが大切です。食べない時期でも、ある程度時間をかけて食べてさえいれば心配要りません。

健康なのに、ご飯を食べてくれないのは何故?

現在の家猫の祖先は、単独で狩りをしていたリビアヤマネコと考えられています。群れで生活する動物と違い、自分で行う狩りが成功しないと食事にありつけません。でも、狩りでネズミなどの小動物が取れる確率は低く、一説には、15回に1回くらいといわれています。
そのため、生き残るためにいろいろな獲物を食べなければならず、虫なども食べていたと考えられています。

猫さんの食べムラは、この野生時代の食事事情と関係しています。生得的に、突然いつもと違うものが食べたくなることで、取れた獲物をえり好みせず、食べられるようにしてきたのです。仮に猫さんが、大好きなネズミしか食べられなかったら、猫は種族として生き残らなかったか、異なる進化を遂げていたかもしれません。。。

病気かも? - 飲水量やおしっこ、うんちの状態も日頃から注意しておきましょう

中高齢期以降の猫さんで、是非気を付けたいのが腎臓病です。腎臓病になると、食欲が低下することがあります。腎臓病になってしまったら、猫さんにどんな変化があらわれるのでしょうか?

例えば、
●おしっこの量が増えて薄くなっていませんか?:腎臓の機能が低下すると、薄いおしっこをたくさんするようになります。
●水を飲む量が増えていませんか?:おしっこの量が増えた分、飲水量が増えることがあります。
●便が硬くなっていませんか?: おしっこの量が増えても飲水量が増えない猫さんの場合、足りない水分をうんちから吸収するため、便秘になることがあります。

このような変化に気づいたときは、病院に連れて行って、腎機能の検査をしてもらうようにしましょう。



ごはんに砂かけするのは、「嫌い」のサイン?

猫さんは、お腹が空いていなくても狩りをする習性があります。何故なら、本当にお腹が空いてから狩りをして失敗すると、次の狩りをするだけの体力がなくなり、命に係わるかもしれないからです。
そのため、狩りに成功してもお腹がいっぱいで食べられない場合は、後で食べるために砂をかけて隠そうとします。ですから、ごはんに砂をかけるようなしぐさをするときは、ごはんが気に入らないのではなく、「今はいらないけど後で食べる」というサインなのです。


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西村 裕広

アウトドア、歴史、福祉、と得意分野は多彩。幼少期から3頭の犬と暮らした経験があり、現在は猫と獣医師の妻と共に生活中。
猫・犬どちらについても博識。もともと「犬派」を自覚していたが、猫を飼い始めてからは、あっけなく「猫派」に変貌。「犬も猫も可愛いすぎ」と、しみじみと実感している。

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