「干からびたミミズの匂い」が大好き!? ~愛犬が夢中になるもの、知っていますか?

| 増田 宏司
出典: photo by Emery_way 

飽きもせずおもちゃを噛み続けたり、庭の土を掘り返したり…、愛犬が何かに夢中になっているときの集中力ってすごいですよね。ただ、あまりに度が過ぎると困りもの。愛犬が夢中になれる楽しみを奪わずに、上手にしつけに活かしたいものですね。今回は、犬が特定の物や行動に夢中になる理由を解説、しつけに活かす方法をご紹介します。

「夢中になるもの」は犬それぞれ。年齢によって変化も

食べ物やおもちゃから、脱いだばかりの靴下やスリッパ、ゴミ箱の中身、はたまた土や砂を掘り返すことまで…。犬が夢中になることは、実にさまざまです。

夢中になることは、犬によって異なりますが、概して人間から見ると「え!?」と思うようなものが多いですよね。
獲物を追う役割を担ってきた犬種は、ちょこちょこと動くおもちゃを追いかけるのに夢中になり、嗅覚で獲物を探し当てる役割だった犬は匂いのするものに夢中になることが多いようです。また、年齢によって夢中になる対象が変わってくる犬もいます。

匂いといえば、私の所属する東京農業大学では、ちょっと変わった研究をしています。それは、なぜか犬は「路上で死んで干からびたミミズの匂いを好む」ことに着目した研究です。ある学生が、散歩中に犬が干からびたミミズをみつけると夢中になって体をこすりつけるのを不思議に思ったことがきっかけで始まった研究なのですが、実験を繰り返した結果、すべての犬がそうだというわけではないものの、確かに干からびたミミズに夢中になる犬が多いことがわかりました。これは干からびたミミズに含まれる特定の成分が犬を興奮状態にさせるためなのではないかと考えています。ちょうど猫がマタタビをみつけたときの反応と似ているように思います。実に興味深いですよね!もう少し研究が進めば、マタタビを使った猫用おもちゃのように、干しミミズの匂い成分を使った犬用おもちゃが実現するかもしれません。

■遊びの主導権は犬ではなく飼い主に。飼い主さんも一緒に夢中になって遊ぼう!

いずれにせよ、犬たちが夢中になっている姿は微笑ましいものですし、静かにしておいて欲しいときなどは、おもちゃに夢中になってくれていると助かりますよね。お気に入りのおもちゃを留守中に与えるようにすれば、飼い主との分離不安の軽減にも役立ちますし、しつけの際のご褒美にも利用できます。

photo by ginnorobot

ただし、度が過ぎてしまうのは考えもの。飼い主の気を引くために、わざわざ「人間が困るもの」を持ち出して「構ってアピール」をする犬や、夢中になるあまり噛んでいるものを口から放したがらない犬、取り上げようとすると怒って噛みつこうとする犬もいます。
そんなトラブルを防ぐには、犬に主導権を渡さないルールを徹底することが重要です。例えば、おもちゃも出しっぱなしにして、いつでも犬が自由に遊べるようにしておくのはNG。遊ぶときは飼い主が取り出して与えるようにし、遊んでもいい時間を決めるのは犬ではなく飼い主だということを犬に理解させるのです。留守番時に与えるおもちゃも、帰宅したらすぐにしまってしまいましょう。そうすると、犬は「あのおもちゃで遊べるのは特別な時だけなんだな」と理解するようになります。

photo by Emery_way

また、できれば飼い主さんも犬と一緒に夢中になって遊んでみてください!どんなにたくさんのおもちゃを与えられるよりも、飼い主さんが一緒に遊んでくれることが、愛犬にとってはずっとハッピーなこと。ボール遊びでもおいかけっこでもいいので、愛犬と「夢中」を楽しむ時間を持つことによって、愛犬との絆が深まり、愛犬の「夢中」によるトラブルもなくなっていくはずです。もちろん特別な遊びでなくてもOK!シンプルなボール遊びでも追いかけっこでもいいので、ぜひ、一緒に夢中になれる遊びを楽しんでください。

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増田 宏司

獣医学博士・獣医師、東京農業大学農学部バイオセラピー学科教授(学科長)伴侶動物学研究室所属。
2004年東京大学大学院 農学生命科学研究科 獣医学博士課程修了。東京農業大学准教授等を経て2015年から現職。専門は動物行動学、行動治療学。「犬語ブック」(日本文芸社)、「東日本大震災からの真の農業復興への挑戦」(ぎょうせい)など著書多数。犬と飼い主さんの幸せのために、日々東奔西走中!

増田 宏司

獣医学博士・獣医師、東京農業大学農学部バイオセラピー学科教授(学科長)伴侶動物学研究室所属。
2004年東京大学大学院 農学生命科学研究科 獣医学博士課程修了。東京農業大学准教授等を経て2015年から現職。専門は動物行動学、行動治療学。「犬語ブック」(日本文芸社)、「東日本大震災からの真の農業復興への挑戦」(ぎょうせい)など著書多数。犬と飼い主さんの幸せのために、日々東奔西走中!

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