実録! 愛猫が突然食物アレルギーを発症?! そのとき、飼い主は。

| 田代エミ

アレルギー性皮膚炎。自分の愛猫はアレルギーとは無縁だと思っていたのに、ある日突然その可能性が浮上したら、あなたはどうしますか?
新米猫飼い主が直面したドタバタを実録でお届けします。

異変は突然やってきた!

10歳の誕生日を目前に控えた私の愛猫。これまで大きな病気をしたことはなく、ツヤツヤの毛並みに好き嫌いのない旺盛な食欲、毎日快便快尿。まさに健康優良児のお手本のような、自慢の猫です。
そんな愛猫の体の異変に気付いたのは、毎週日曜日に行うブラッシングのときでした。

実は、しばらく前に「少し背中の毛が薄くなっているかな?」と気付いたのですが、毛の転換期でしたし、10歳ともなると全体的に毛が薄くなるのは仕方ないのかな、くらいに考えていました。
しかし、この日のブラッシングで改めて背中の状態を見ると、背骨にそって完全に毛が薄くなっており、部分的には皮膚も見えます。

えっ、いつの間にこんなに毛が抜けたの?!
やっぱり、最初に気付いたときに病院に連れて行けば良かった!

毎晩一緒に寝ていてしょっちゅう抱っこもしているのに、背中がこんなになるまで放置してしまったことを心の底から後悔しました。
その日のうちにかかりつけの動物病院を予約。
ノミかな、ダニかな。何かの皮膚病かしら……。もう1匹に伝染ったらどうしょう……。
と、心配で眠れません。(愛猫はその夜もいつも通りスースーと寝息を立てていました)

【教訓】

異変に気付いたら迷わずすぐに動物病院へ。

まさかの“自分舐め”?!

診察の結果、ノミなど外的な要因は考えられず、愛猫自身が舐め過ぎて毛が抜けたらしいということがわかりました。
「えっ! 犯人は本人?!」
愛猫が背中のその部分を舐めているシーンを見たことがなかったので、「自分で舐め過ぎたために毛が薄くなった」という診察結果に驚きました。
でも、猫の体の柔らかさであれば、充分舌が届いて自分で舐められる箇所だったようです。

それにしても気になるのは、毛が薄くなるほど舐めた原因です。
それを探る為に、獣医の先生から様々なヒアリングを受けました。

【考えられる原因】

1. ストレス 
□家具の配置を変えた
□見慣れない来客が多かった
□長期の留守番があった
など、猫にとって重大な環境の変化がなかったか聞かれましたが、どれも該当しませんでした。


2. 甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)の疑い
甲状腺機能亢進症とは、体の発育や新陳代謝を促す甲状腺ホルモンの分泌が異常に活発になることで、8歳以上の中高年猫に発症することが多い病気です。
活動的になり食欲も増すため、病気とは気付かずむしろ「うちの子は元気」と勘違いしてしまいがちです。

以下に該当する場合は甲状腺機能亢進症の疑いがあります。
□旺盛な食欲の割には体重が減っていく
□落ち着きがない
□毛ヅヤが失われる
□水をよく飲み尿の量が多い
□嘔吐や下痢がある

これは愛猫に全て当てはまる!

    

まずは血液検査を

愛猫に甲状腺機能亢進症の疑いがあるのでは、ということにショックを受け涙目になった私。
取り急ぎ、甲状腺ホルモンを調べる血液検査をしてもらうことになりました。
そこで先生がひと言。
「ついでに食物アレルギーの検査もしてみますか?」

しかし、愛猫は好き嫌いなく何でもよく食べるのが自慢。私もできる限りいろいろな種類の猫缶やオヤツをあげるようにしていました。
「うちの子は好き嫌いがないし、食物アレルギーはないと思います」
そう主張する私に、先生はこう説明してくださいました。

・アレルギーによる皮膚疾患はとても多く、食物が原因であることが多い。
・アレルギーだから嫌いで食べない、というわけではない。(好きな食物でもそれがアレルギー原であることがある)
・昔は平気だったものがアレルギー原になることがある。

そういえば、愛犬の皮膚疾患に悩みフードを全て手作りしている友人も、同じようなことを言っていました。
しかし、10年間一緒に暮らしている私としては、やはり愛猫に食物アレルギーがあるとは思えません。甲状腺機能亢進症の不安のほうが大きく、「まあ、ついでに検査しようかな」くらいの気持ちでした。

ちなみに、今回受けたアレルギー精密検査の費用は25,000円。“ついでの”検査にしてはかなり痛い出費ですが、こういうときのためにコツコツと愛猫貯金をしていたわけです。

【教訓】

急な治療費に備えて日頃から“愛猫貯金”を。もしくはペット保険加入を。

思い込みだった「うちの子にアレルギーはない」

検査から3日目。まずは甲状腺ホルモンの検査結果が出ました。
「異常なし」
動物病院からの嬉しい電話に、ホッとして涙ぐみました。

それからさらに3日。アレルギー検査の結果は、楽観的な私の予想を大きく裏切るものでした。

兎肉、鶏肉、卵、大豆、米、大麦、玄米、イワシをはじめとして、検査対象食物30種類のうち、なんと半数の食物がアレルギー陽性だったのです。
ショックだったのは、鶏肉だけでなく愛猫が大好きなカツオもアレルギー陽性だったということ。
愛猫は、魚はマグロよりカツオが好きだし、一番好きなのは鶏のササミなので、どちらも長年に渡り積極的に与えていたものです。
それがアレルギーだったなんて。
よかれと思ってやっていた行為が愛猫の体に負担を強いていたのか。
私は飼い主失格だと落ち込みました。

アレルギー検査では食物以外にも様々な項目があり、他にもヨモギ、オオバコ、羽毛など31種類にアレルギー陽性と出ました。
「アレルギーがある猫ちゃんは多いですが、ここまでアレルギーの多い猫ちゃんは珍しいです」
と先生に告げられ、私は10年間も一体何をやっていたのかと、ますます落ち込みました。

食物の制約。そしてフード探しが始まる

食物アレルギーの場合、最良の治療はその食物を避けることです。
一般食の猫缶はカツオやササミではなくマグロにする。かつお節トッピングは禁止。ドライフーズのササミのオヤツもダメ。たとえそれが愛猫の大好物だったとしても……。
なんだ、意外に簡単だ。とホッとしたのも束の間。
問題は総合栄養食のドライフードだったのです。

初めて知ったのが、ほとんどのドライフードには原材料として米が使われているということ。特に米の陽性反応数値が高かった愛猫にとっては、ドライフードは与えてはいけない食べ物、ということになってしまいます。

今回受けたアレルギー検査では、結果と一緒に「このフードなら与えて大丈夫です」というリストが送られてきます。フード会社から検査会社に提供されているデータとアレルギー検査の結果を照合したもので、アレルギー持ちの猫ちゃんであっても、たいていは数種類のフードが“与えてOK”とリストアップされてくるそう。
しかし、愛猫が食べてOKなフードは、ある療養食1種類のみというまさかの結果でした。

その療養食を愛猫が食べてくれたら問題解決ですが、お気に召さなかったようで、匂いをちょっと嗅いだだけで全く見向きもしてくれません。
マグロの猫缶と混ぜたり『ちゅーる』をトッピングしたり、温めてみたり。
日数をかけいろいろ工夫しましたが、ダメです。好き嫌いないはずの愛猫ですが、療養食はよほど魅力がないのでしょうか。

愛猫のアレルギー問題をクリアする総合栄養食がないか、海外のフードを中心にネットで調べたり人に聞いたりしました。気になる製品があればメーカーに問い合わせて原材料について問い合わせました。
しかし、完全に適したフードはありません。グレインフリーだとかオーガニックフードだからいいとか、そういう問題ではないのです。

フードを手作りするとしても、手に入りやすい食材でアレルギーがないのはマグロくらいしかなく、それだと必要な栄養素を摂取することができません。
なまじペットフードのことを多少は勉強したことがある分、知識が先行して必要以上に神経質になり、「このままだと愛猫が死んじゃう!」とパニック状態に陥りました。

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田代エミ

元々犬派だったがあるきかっけに猫の魅力にはまり、現在はアメショ姉妹(10歳、9歳)を溺愛中。周りのベテラン猫飼い主さんに比べれば知識も経験もまだまだ未熟と、日々勉強中。「よその猫さんに優しくすることが、やがてうちの子に還ってくる」をモットーに、動物愛護関連の支援活動も行っている。

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